■
自動車学校の人と最後にわたしの地元で会ってもうすぐ半年が経とうとしていて、わたしが免許を取りに免許合宿に行ってからもう一年が経とうとしてる。
最後に会ったの半年も前のことなのに、dmでしか話していないのにずっと考えちゃうの本当やめたい。
1ヶ月続いてるこのdm、何のために続けてるんだろう。もう会いもしないのに。会話が続けば続くほど返信まだかなとかいつ返そうとか考えちゃってる自分本当にきもい。もう一生会わんのに何のためにdm続けさせられてるんだろう。なんでもう一生会わん人のことを考えて泣かなくちゃいけないんだろう。
11日目~
11日目の夜。
次の日は自動車学校自体お休みだった。
Nくんは友達と今日部屋で飲むと言っていて、いいなーと言ったら「じゃあ飲む?笑」となり、コンビニに一緒に買いに行って自動車学校の近くにある川沿いに座って飲むことになった。
わたしはめちゃめちゃお酒弱い。
自分で分かってるけど、まあ、どうにでもなれって思った。
お酒飲みながら肩にもたれかかったり、恋人つなぎしたりしてた。
頭クラクラしてきて無理だあとか言いながら寝転んだ。
気づいたらそのままキスしてた。
気づいたら重なってた。
何でそうなったか全く覚えてない。
いつもの人の唇じゃなかった。
Nくんは初めてだったみたいでとても申し訳なかった。恋人じゃない人と初めてなんて本当申し訳なかった。
(お酒のせいじゃないかもしれないけど、お酒のせいにしよう。)
わたしの中ではそう解決した。
でもこの関係は続くことになる。
7日目~
入校7日目の仮免試験。
Nくんの友達は落ちてしまいNくんがこのまま順調に進めば、帰りはNくんひとりで帰らないといけない状況になっていた。
そして9日目の夜。
その頃には二人での散歩にも慣れて1時間の散歩があっという間に感じるようになってきた。
手をつないでた。
最初はわたしの小指とNくんの人差し指だけ触れるか触れないかだけだった。
しばらくして小指以外の手もつないでた。
(わたし彼氏いるのになあ、
どうして男の子の友達でいたいのにこんな関係になっちゃうんだろう)
そんなことを思いながら、でも、それが楽しいんだよなあなんて考えてしまいながら、手をつないでいた。
背徳感味わっていた。
手をつないだときこの関係はばれちゃいけないって気持ちですごくドキドキした。
決してNくんのことが気になっているというわけでもなく、
ただその雰囲気を楽しんでいた。
多分誰でも良かった。
わたしは相手にとってわたしだけじゃなきゃ嫌だなんて思ってるのに。
いきなり手をつなぐようになったわけではなくて、少し前から距離は近かった。
写真の見せあいっこしたときとか、
星座を見つけるときとか。
楽しい思い出はたくさんできたなと思う。
4日目~
わたしとNくんの散歩が始まった。
わたしは普段彼氏以外の男の子とあまり話さなくて、他の人はどうやって考えているんだろうと気になっていたのでNくんとのお散歩は別の意味でも良い刺激になった。
Nくんからしたら怒るかもしれないけど、Nくんは彼氏と似ていた。
考え方も、友達の多さも、遊びは誘われる側だってことも、スマブラが好きだってことも、スマホのパスコードさえもすごく似ていた。
Nくんのことを彼氏と重ね合わせてるのかもしれない。
いや、わたしはそうゆう性格の子が好きなのかもしれない。
そんなことを考えながら、毎夜一緒にお散歩してた。
入校5日目(6だったかも?)。
いつものように一緒にお散歩していると
「わたしちゃんって彼氏いるの?」
そう聞かれた。
とても動揺して、でも、ごまかした。
彼氏がいること知られたら、これから一緒に散歩してくれないかもしれない。そう思ったから。
聞いてなかったことにしてほかの話した。
Nくんは不思議そうな顔してたけどそのときはそれ以上聞いてこなかった。
帰り際、もう一度聞かれた。
少し黙ってから「いるよ。」と答えた。「ごめんね。」と言った。
Nくんには彼女がいないらしく、合宿に一緒に来た友達に頑張ってこいと言われていたらしい。
これからも一緒に散歩できるのか不安で反応を待っていたけど、そのことについて何も言われなかったので聞いてみた。
「これからもいいの?」
「わたしちゃんがよければ。」
そんな返事だった。
バイバイしてからのdmはもどかしくてきゅんきゅんしてまるで付き合いたてのカップルのような感じがしてすごく楽しかった。
ずっとこのきゅんきゅんが続けばいいな。そう思ってた。
2日目~
当時のわたしには3年半付き合っている彼氏がいた。彼氏との関係は良好でお互い目立った不満もなくレスとか言うわけでもなく周りからは仲良しだねうらやましいって言われるくらいの仲だった。わたしも彼氏に不満があるわけでもなかった。
ただ、ほかの男の子とももっと話したい、仲良くなりたい、そういう思いは心の中にずっとあった。
それも手伝ったんだと思う。
(免許合宿の間くらいばれないしこの合宿が終わったらさよならなんだからいいよね)
そう思ったわたしは男の子二人と交換したインスタ、その投稿のうちの彼氏との写真をわざわざすべてアーカイブして見られないようにした。
男の子二人のうち一人とはdmが始まって話すようになった。
入校三日目。
その日の夜、友達は見たいテレビがあるとかなんとかで部屋でテレビを見ていたのでせっかく遠くまで来たんだからお散歩しに行こうと思い、一人お散歩しに行った。
わたしの親は心配性で夜あまり外に出してくれなかったので、夜にひとり暗い道を歩くことはなかなかわたしの好奇心をくすぐるものだった。しかも、夜空は満天の星。地元ではなかなか見られない光景にとても感動した。今でもその夜空は覚えてる。
そのことを散歩から帰ってからdmで男の子(これからはNくんと呼ぶ)に話すと
「明日一緒に行かない?」
そう誘われたので次の日から一緒に散歩するようになった。
わたしはこのときからもう既に意識してた。
思い出
関係が終わったので書こうかなと思う。
大学1年の春、車の免許を取るために免許合宿に行った。
わたしと友達一人、のんびりした地方に行こうということで自分たちが住んでいるところからかなり離れているところに免許を取りに行ったので知り合いは誰一人いなかった。ただ自動車免許を取る、それだけのために行ったはずだった。
最初は免許合宿自体億劫で2週間も家族じゃない友達と同じ部屋で過ごすことができるか不安だったし、実家暮らしだったわたしは宿舎での家事も満足にできるかすら心配していた。
でもそれは杞憂で、ご飯も朝昼夜毎日出る、お風呂で使ったタオルも毎日交換してくれるというとても好待遇な宿舎だったし心配していた友達と二人きりの部屋もうまくやれたのでそれなりに楽しかった。今思うととてもとてもいい環境だったんだなと思う。
わたしが行った合宿はひとりひとり授業を受ける時間が違っていて、今後の予定をパソコンでみてその時間割通りに場内研修、学科授業(オンライン)を受けるシステムだったので、友達と違う時間割で動くことは多くあった。
入校二日目。友達とは授業時間が違ったので自動車学校のロビーでひとり携帯を触っていた。近くから「自動車学校までの電車隣でしたよね?」と話しかけてくる男の子二人がいた。こうして私たちは関わるようになった。